その人間関係は「信用」ですか?「信頼」ですか?

 評判のいい皆さんこんにちは!

 

「信用」と「信頼」の二つの人間関係があるとしたらどちらを選択しますでしょうか?「信用」も「信頼」のどちらも手に入れたいと思う人はたくさんいると思います。しかし両者は似て非なるものです。ちがいを知った上で何を得るのか?を考えてみることもよいかもしれません。

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例えば銀行でお金を借りるときには「信用取引」と表現します。借り主にはどのくらいの借入があって、どれくらいの返済能力があるので、いくらなら貸すことができる、というとらえ方です。言ってみれば借り主の置かれている環境を担保にしてお金を貸すのが信用取引です。

 

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「信頼取引」という言い方はしませんが、もしそれが存在するとしたらこうです。「あなたには財産もお金も担保もないけど、あなたの可能性に対して私はいくらでも投資できる。そして返せるときに返してくれればいい」という取引です。

その人の担保と引き替えに貸すのではなくて、その人の「存在」に対して貸すことができる、ということが「信頼」というものではないでしょうか。

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スタッフさんがボランティアで河川のゴミ拾いをしたときの写真。(2016年6月6日)

 

 

私という人間はどのような人間関係をつくっているのか? 信用はされていても、信頼まではできていない人間関係もまだまだあるかもしれません。


ますます人生は修行だということですね。     

先が後、後が先?

評判のいい皆さんこんにちは!

 

さて皆さんは料理などで「塩水」をつくる機会もあると思います。

 

塩水をつくるときに「水」と「塩」と使うのですが、①「水」に「塩」を入れて溶かすか、②「塩」に水を注いで溶かすか、どちらの順番でしょうか?

 

実は「塩」に「水」を注いでつくるのが基本です。

 

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では「深呼吸」をするときは、①「吸ってから吐く」のか②「吐いてから吸う」のかどちらでしょうか?

実は「吐いてから吸う」です。「吸って、吐いて・・・」という順番でやっているものですが、先に息を吐いて肺を空にしなければ、そもそも息を吸うことはできませんね。

 

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「塩水」も「呼吸」もよく見ると漢字の順番の通りになっています。実は世の中はこのような「原理原則」にのっとっているものばかりです。我社はヘアスタイルをつくる仕事をしていますので「技術」も商売道具の一つです。「技術」も持っている「技」を使って「術」を行っています。人生の先輩たちから、生活・家庭・学問・スポーツその他どんな場面でも「基本」があるから「応用」ができると教えられてきました。

 

しかし現代社会においては、いつの間にか原理原則に背いて「基本」も行わずに「応用」に走り過ぎるようになってしまったように感じませんか?「個性」を重視するあまりに「品性」を欠いてしまっているかもしれません。

 

『衣食足りて礼節を知る』自分の言動を整えるために、まずは朝一番のあいさつができるような社会にするために私たち大人が率先垂範していきたいですね。皆さんはどのようにお考えになりますか?     

求む男子、至難の旅。

評判のいい皆さんこんにちは!

 

仕事を楽しんでいますか?それとも仕事は苦しいものですか?

 

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こんな仕事があったらいいですね。

 

 

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仕事は決して楽ではないですよね。でも本当にこんなに楽な仕事をしていたとしたら人間はどのようになってしまうのでしょうか?

 

仕事は「楽しい」ものではないでしょう。しかし「仕事を愉しむ」ことはできると思います。自分がどう思うか、だけです。

 

20世紀初頭、当時の大英帝国が世界各地を支配下にしようとしていたとき、最果ての南極大陸もまた同じようにそのターゲットでした。

そのとき南極大陸に挑んだ探検家の一人にアーネスト・シャクルトンという人がいます。

 

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1917年のシャクルトン(出典:Wikipedia)

 

今でもそうですが南極大陸の探検に挑むことは簡単なことではありません。というより相当な困難を極める旅になることは想像に難くありません。

 

シャクルトンは過酷を極める旅になるであろう航海に追従する人たちを広く公募しました。そのときの募集広告を以下に紹介します。

 

 

MEN WANTED for Hazardous Journey.
Small wages, bitter cold, long months of complete darkness, constant danger, safe return doubtful. Honor and recognition in case of success. Ernest Shackleton

— 「求む男子、至難の旅。
僅かな報酬、極寒、暗黒の長い日々、
絶えざる危険、生還の保証無し。
成功の暁には名誉と賞賛を得る。アーネスト・シャクルトン

 

 

こんな文面の募集広告にどれだけの人が集まるのか?はなはだ疑問に思うかもしれません。しかし実際には15歳の少年を含む1,500名の人が応募したそうです。シャクルトンはその後3度の南極大陸への挑戦をしますがたびたび遭難をしてしまいます。英国国内では海軍の水雷大尉で中佐のロバート・ファルコン・スコットが南極大陸探検の英雄となり、シャクルトン自体は微妙な立場に立たされますが、この募集広告に人が強く動く動機が生まれたように、仕事とはお金や地位だけではないことを証明した採用広告として今なお語り継がれています。

 

仕事は楽にできたほうが良いと思ってしまいます。でも本当に楽な仕事をやっていて人間の動機はつくられるのでしょうか?「仕事観」というものを少し考える機会が必要かもしれませんね。

4人のレンガ職人。

評判のいい皆さんこんにちは!

 

これはどの仕事でも同じことがいえるかもしれませんが、「こんな素晴らしい仕事をすることでお客様や他の誰かに喜んでもらいたい」という動機を持って仕事を始めながら、いつの間にか「食べるため」だけに仕事をしてしまっている人がたくさんいることも事実です。

もちろん私たちは「食べるため」に仕事をしています。しかし仕事の目的が「自分が食べるため」になってしまうと、自分の仕事においてお客様の存在は二の次になってしまいます。自分が食べるためだけに仕事をするなら仕事の質は下がってしまうことに違いありません。だって自分が良ければそれで良いという思考ですから。

しかし仕事の目的が「目の前のお客様に喜んでいただく」ことであって、その成果として給料をいただき食べることができる、と「仕事の意味や価値」を考えることができたとしたら、毎日の仕事の質や時間が変わってくることでしょうね。

 

さらに一歩進めて自分の仕事がお客様に喜んでいただくことの先に何があるのか?と思考を巡らすことができたらどうでしょうか?

自分の仕事は目の前のお客様に喜んでいただくことですが、もし仮にそのお客様があなたのお店を訊ねて、あるいは商品を購入した後に、1000億円の国家プロジェクトの商談に成功したとしたらどうでしょう?あなたの仕事が目の前のお客様のさらに先にある「社会につながり」役に立っている、ということになります。このように考えると私たちの仕事は自分の与えられた役割だけをまっとうするものではなくなるのではないでしょうか?

 

 

イソップ寓話に「3人のレンガ職人」というものがあります。今日はそれをさらにスパイスアップした有名な事例「4人のレンガ職人」をご紹介します。

 

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旅人がある国を旅していると開けた土地にたどり着きました。そこでレンガを積んでいる職人たちに遭遇しました。おもむろに旅人は職人の一人に尋ねました。
「そこで何をやっているのですか?」

1人目の職人Aは答えました。「見てわからんのか。俺はレンガを積んでいるんだ。暑い日も寒い日も、毎日毎日目の前にあるレンガを積んでいるだけだ。まあそれが俺の仕事だからな。」

「それは大変な仕事ですね。」旅人は慰めの言葉をかけると、職人Aは「なんで俺はこんなことをやらなければならないのか、もっと楽している奴らもいるというのに。まったくついていない人生だ。」と吐き捨てるように言いました。その言葉を背にしながら旅人はさらに歩みを進めました。

 

しばらく行くと2人目のレンガ職人に出会いました。旅人は尋ねました。「そこで何をやっているのですか?」

「ああ、俺はここで大きな壁を作っているんだよ。これが俺の仕事だ。」「それは大変な仕事ですね。」旅人はいたわりの言葉をかけました。

すると「なんてことはないさ。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。ここでは家族を養っていく仕事を見つけるのが大変なんだ。俺なんてここでこうやって仕事があるから家族全員が食べいくことに困らない、俺はついている方だ。」

「そうですか、がんばってください。」旅人は男に励ましの言葉を残して歩き続けました。

 

またもう少し歩くと3人目のレンガ職人に出会いました。

「ここでいったい何をしているのですか?」旅人は尋ねました。

「ああ、俺達のことかい?俺たちは歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!」

「それは大変な仕事ですね。」旅人はいたわりの言葉をかけました。

「いやいや、これは俺たちの仕事が後世まで語り継がれる可能性がある大事業だ。俺たちが名声を得ることになるし、この大聖堂はいつまでも歴史に残るだろうな。すごい仕事ができているよ。大したものだ。」

「そうですか、がんばってください。」旅人は男に励ましの言葉を残して歩き続けました。

 

さらに少し歩くと4人目のレンガ職人に出会いました。「ここでいったい何をしているのですか?」旅人は尋ねました。

「ああ、よく聴いてくれたね。この場所は素敵なところだ。俺たちはここで大聖堂を造っているんだが、この国の誰もが祈りを捧げる素晴らしい場所になるだろう!」

「それは大変な仕事ですね。」旅人はいたわりの言葉をかけました。

「とんでもない。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うことになる。何と素晴らしいことだろう!」

旅人はその男にお礼の言葉を残してさらに旅を歩き続けました。

 

 

4人のレンガ職人の言葉はこのように違います。

職人A:レンガを積んでいるんだ。

職人B:大きな壁を造っているんだ。

職人C:歴史に残る立派な大聖堂を造っているんだ。

職人D:みんなが集まって幸せな気持ちになることができる場所を造っているんだ。


4人の職人は同じ「レンガを積む」という行為をしていますが、その行為に対する思考はまったく違っています。

 

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↑ (JR水戸駅構内のトイレにある手作りのオブジェ。季節ごとに変わるのが楽しみです。清掃という仕事にプラスの価値を創り出しています)

 

 

Aは命じられたままにさせられている作業のレベルです。働く目的や動機は報酬という見返りのためです。辛い労働だが食べるために日々耐えています。
Bは仕事をすることで自分だけではなく家族という第三者を養うことに目的が向いています。仕事をすることで自分の周りの人のためになっているということを理解しているレベルです。
Cは仕事を事業の業績と捉えてより大きな仕事を任せてもらえるようにがんばっています。この仕事を大きな事業の一部として捉えていますが、働く目的や動機は自己の向上、名声、スキル、年収、地位、評価、キャリアなどを得ることです。
Dはこの仕事そのものに社会的な意義を見出し、自分以外の人たちのどのような役に立っているのかを明確に表しています。今目の前の仕事はレンガを積み壁を造っていてそれは大聖堂の一部だとしても、その事業がゆくゆくは多くの人が集まる場所となり、その人たちが幸せになっていくだろうということを想像しながら肯定的に仕事を捉えることができている人です。

 

同じ仕事をしていても自分の思考がその仕事にどのような意味や価値を見いだすことができるのか?それによって職場にいる時間を変え、仕事に向き合う姿勢を変えます。それは全て自分次第です。自分の仕事にどのような意味や価値をつけることができますか?

 

美容師・理容師はやりたかった仕事!

評判のいい皆さんこんにちは!

 

私も経営をさせていただき働いていただく方を採用させていただいていますので、昨今の人財難はもちろん当社でも重要な問題です。人口減によって働く人自体が少なくなっていくわけですから社会全体の問題でもあります。

 

しかし人財不足といわれる中にあっても応募者が殺到して入社が狭き門になっている企業もありますし、反対に仕事はたくさんあっても人財難により事業縮小や倒産に追い込まれる企業もあります。まさに需要と供給のミスマッチが起きていることも事実です。

 

当社での仕事も決して楽なものではないし、給与などの待遇面も万全とはいかないと思います。でもそもそも仕事とは「何を得るためにやっているのか?」という問いを忘れてしまっては少しもったいないことになるかもしれませんね。

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              ↑ カットハウスひかり酒々井店(千葉県酒々井町)

 

当社はヘアカット専門店と美容室を経営しています。お客様のヘアスタイルを創るという仕事です。この仕事をするためには美容師や理容師という資格をとらなければできません。「仕事をするために資格をとる」ということは簡単ではないですよね。資格が必要な仕事はたくさんありますが、ほとんどの資格は遊んでいて取得できるようなものではないはずです。

 

美容師・理容師にしても同じです。資格をとるためには専門学校に行くか、通信課程で勉強するか、の二通りしかありません。どちらにしても勉強した結果として国家試験を受験して合格しなければ資格は手に入りません。知識を習得して技術を練習して苦労して手に入れるものです。かなりの関門を突破しなければならないということです。

 

さらにそもそもなぜこの仕事をしたかったのか?もっと時間をさかのぼっていくと、自らの幼い頃に両親や知人がお客様のヘアスタイルを創るところを見て「こんなに人をかっこ良くできるんだ!」「こんなに人を綺麗にできるんだ!」というような感動を覚えたことがきっかけだったという人が当社の社員さんにもたくさんいいます。美容師・理容師の仕事にあこがれてこの道を選んだという人が少なくないのです。要するに「この仕事をしたくて自ら国家試験という関門を突破して、今まさにその『あこがれの仕事』をしている」ということになるのです。

 

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自分がやりたいと思った仕事を今まさに現在進行系でしている、という人はとても少ないと思います。私は就職活動をして初めて社会人になったのは飲食業でした。特にそれをやりたくて入社したわけではありません。

一流大学に行って一流企業に就職できたからといって希望する部署や仕事に就いているという人も多くはないでしょうね。 要するに自分が希望した仕事をリアルな現実でできている人は多くはないということです。美容師・理容師は自分がやりたいと思って今仕事ができている人たちです。この仕事に就きたいと思ったルーツに立ち返って目の前のお客様に向き合っているプロフェッショナルが今日もたくさんの人の喜びを創っています。

 

この連休は各地で成人式が行われます。まさに美容師・理容師にとって「人の一生における一大イベントの思い出」づくりに一役買っているといっても過言ではありません。美容師・理容師の仕事がなければせっかくの思い出も台無しです。「人の一生のあらゆる場面のお役に立てる」仕事をしていきたいですね。

 

勉強する!パン屋さん。

評判のいい皆さんこんにちは!

 

私は船橋市民ではありませんが、船橋市民にはあのふなっしーよりも知られているというパン屋さんがあります。

その名も「ピーターパン」

 

すでに何度も行っていますが先日またお邪魔してきました。

こちらが海神にある石窯パン工房店です。

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テレビなどにも多数取り上げられていますよ。

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すごいのはこれ! ギネス記録にも挑戦しました。

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仮に12時間稼働しても1時間当たり800個以上焼かないと間に合いません!もちろんほかのパンも通常通り販売していますからものすごい仕事量とチームワークですね。

ギネス挑戦のときはお店のイベントでしたが、ただ販売するだけではこのような数量にはなりません。普段から来店されている積極的にお客様が買うことを手伝ってくれたそうです。お店とお客様の関係性のなせるわざですね。

 

 

今回の訪問は千葉北経営研究会の仲間と「人財育成」をテーマに学びにいきました。

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奥でお話しいただいている女性が大橋社長です。父親である横手会長から2016年に事業承継しました。私も尊敬するママさん経営者です。

 

今やどの業界でも人材不足ですが、この会社は新卒採用に力を入れています。2016年度実績では15名の採用がありました。パン屋さんといえば職人さんの世界とも感じますが、なぜ即戦力の中途採用ではなく(中途採用もしています)新卒採用なのかというと、「勉強するパン屋さん」だからです。

学生の就職活動のときから入社後まで本人のお世話役・相談役となる「リクルーター」と呼ばれる社員さんたちが一人ひとりを担当します。いってみればメンターとなる人でしょうか。リクルーターの皆さんは就職説明会などの企画も任されているそうです。

入社後もいろいろな研修があります。技術指導だけではなく、経営理念の浸透を目的として価値観を合わせるものまで勉強ばかりしています!「パンの修行に来たので勉強にきたのではない!」という方には務まらないのです。

 

 

ピーターパンの経営理念

私たちはお客さまを笑顔とおもてなしの心でお迎えし
常に品質を向上させ、おいしい焼きたてのパンを提供します。
私たちは一人ひとりの可能性を尊重し、共に学び共に成長し
お客さまと共に幸せになります。(HPより抜粋)

売り物はパンですが、社員さんはお客様と一緒に幸せになることを商品にしているのですね。

 

 

今回も混雑していたので店内の写真は撮れませんでしたが、経営理念にある「焼きたてのパンを提供します」にまつわる驚きのサービスをご紹介します。

パン屋さんではお客様は陳列されているパンを自分でトレーに取っていくわけですが、中には焼いてから時間が経っているものもあります。「○○のパンが焼き上がりました!」という声はパン屋さんでは良く聴きますね。でもお客様自身が一度トレーに取ったものを戻して焼きたてと交換するということはちょっとできません。スタッフさんはお客様のことをよく見ています。「こちらの焼きたてと交換いたします」といってトレーに乗せたものと交換してくれるのです。

飲食業では「先入れ先出し」という鉄則が存在しますが、ここではそんなことはお構いなし。だってお客様に焼きたてのパンを食べて欲しいから。

 

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店内にはコーヒーディスペンサーがあって無料でいただけます。

店舗の前にベンチとテーブルがあってちょっとした公園のよう。多くの方がここでコーヒーを飲みながらパンを食べていきます。パンを食べながら地域の皆さん同士の交流がはかられています。ピーターパンのパンを食べながらみんな仲良くなってしまうのだそうです。

www.peaterpan.com

 

店舗はいくつもありますが各店とも木曜日定休(一部を除く)。もちろん定休日にも定期的に研修を行っています。さすが勉強する!パン屋さん。

 

テーマパークでアトラクションの待ち時間が長くてもなぜクレームにならないのか?

評判のいい皆さんこんにちは!

 

TOC(Theory of Conrtraints)が最近のマイブームです。TOCとは「制約条件の理論」といって、1980年代前半イスラエル出身の物理学者であるエリヤフ・M・ゴールドラット(Eliyahu M. Goldratt)博士が提唱しました。

こんな紹介だけでもうすでに読む気がなくなるかもしれませんので、少しずつ紹介していきますね。ビジネスにもとても役立ちますよ。

 

今回はこんな例です。

ディズニーランドがお好きな方はたくさんいらっしゃると思います。人気のあるアトラクションに乗ろうとするものなら、数時間待ちの時もありますね。でもそれだけ待っていてもやっと順番がきて乗ったら数分で終わりです。あっという間だとしても「待った甲斐があった。楽しかった」と感じる方もたくさんいるでしょう。

f:id:toriosan:20170105170735j:plain(東京ディズニーリゾートHPより引用)

この場合、「待つ時間」は徹底的に待たされていて、「乗っている時間」はあっという間でも、このアトラクションに対する顧客満足としては「楽しかった=良かった」ということになるでしょう。

さらに想像してみてください。例えば乗車時間3分のスペースマウンテンが今日だけは特別大サービス!「走行速度が通常の3倍の速さ」で乗車時間1分で終わるとします。「待つ時間が長く乗車時間が短い」という状況です。もちろん楽しいかもしれませんが逆に満足できない人も多いかもしれません。

 

 

人気のあるラーメン店の例で考えてみましょう。

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(撮影協力:高橋けんいちろー・写真と本文は関係ありません)

 

たまたまその日は運良く、全く待つことなくお店に入らずに済みました。しかし厨房が混乱しているのでしょうか、なかなか食事が出てこない。30分待ってようやく注文した食事が提供されたとしたら「とても待たされる店だ」と感じる事でしょう。

逆にランチタイムにたくさんの順番待ちがあって30分待ちましたが、注文して5分で提供されたら人気店での食事を満足して帰ることができるでしょう。

 

 

ディズーランドの例もラーメン店の例もキーワードは「時間」です。時間が「早い」ことで満足することも不満足なこともあるということになりますね。ディズニーランドはアトラクションで待つ時間にもたくさんの仕掛けがあることをご存じの方も多いでしょう。待ち時間が長いことにも価値をつくっています。ラーメン屋さんだって注文して30秒で提供されたら「おいおい作り置きかい?!」ということになります。要するに「早い」ことの価値は状況によって変わります。

 

もう一つ「早い」ことと「速い」ことも似て非なるものだということです。

 

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そもそも「早い」と「速い」は違います。前者は「準備段階での時間」の意味があり、後者は「そのものの時間」の意味もあります。

 

 

お客様のニーズは本当に「早い」または「速い」ことなのか、そしてはたして自社の強みは「早い」それとも「速い」なのか? そんなことを考えると少し経営が変わってくるかもしれませんね。

 

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 お薦め図書 (ザ・ゴール 企業の究極の目とは何か エリヤフ・M・ゴールドラット) 

出版当初日本だけは刊行が許可されませんでした。理由は日本人がこれの理論を知ったら世界で日本が一人勝ちしてしまうから。