テーマパークでアトラクションの待ち時間が長くてもなぜクレームにならないのか?
評判のいい皆さんこんにちは!
TOC(Theory of Conrtraints)が最近のマイブームです。TOCとは「制約条件の理論」といって、1980年代前半イスラエル出身の物理学者であるエリヤフ・M・ゴールドラット(Eliyahu M. Goldratt)博士が提唱しました。
こんな紹介だけでもうすでに読む気がなくなるかもしれませんので、少しずつ紹介していきますね。ビジネスにもとても役立ちますよ。
今回はこんな例です。
ディズニーランドがお好きな方はたくさんいらっしゃると思います。人気のあるアトラクションに乗ろうとするものなら、数時間待ちの時もありますね。でもそれだけ待っていてもやっと順番がきて乗ったら数分で終わりです。あっという間だとしても「待った甲斐があった。楽しかった」と感じる方もたくさんいるでしょう。
(東京ディズニーリゾートHPより引用)
この場合、「待つ時間」は徹底的に待たされていて、「乗っている時間」はあっという間でも、このアトラクションに対する顧客満足としては「楽しかった=良かった」ということになるでしょう。
さらに想像してみてください。例えば乗車時間3分のスペースマウンテンが今日だけは特別大サービス!「走行速度が通常の3倍の速さ」で乗車時間1分で終わるとします。「待つ時間が長く乗車時間が短い」という状況です。もちろん楽しいかもしれませんが逆に満足できない人も多いかもしれません。
人気のあるラーメン店の例で考えてみましょう。
(撮影協力:高橋けんいちろー・写真と本文は関係ありません)
たまたまその日は運良く、全く待つことなくお店に入らずに済みました。しかし厨房が混乱しているのでしょうか、なかなか食事が出てこない。30分待ってようやく注文した食事が提供されたとしたら「とても待たされる店だ」と感じる事でしょう。
逆にランチタイムにたくさんの順番待ちがあって30分待ちましたが、注文して5分で提供されたら人気店での食事を満足して帰ることができるでしょう。
ディズーランドの例もラーメン店の例もキーワードは「時間」です。時間が「早い」ことで満足することも不満足なこともあるということになりますね。ディズニーランドはアトラクションで待つ時間にもたくさんの仕掛けがあることをご存じの方も多いでしょう。待ち時間が長いことにも価値をつくっています。ラーメン屋さんだって注文して30秒で提供されたら「おいおい作り置きかい?!」ということになります。要するに「早い」ことの価値は状況によって変わります。
もう一つ「早い」ことと「速い」ことも似て非なるものだということです。
そもそも「早い」と「速い」は違います。前者は「準備段階での時間」の意味があり、後者は「そのものの時間」の意味もあります。
お客様のニーズは本当に「早い」または「速い」ことなのか、そしてはたして自社の強みは「早い」それとも「速い」なのか? そんなことを考えると少し経営が変わってくるかもしれませんね。
お薦め図書 (ザ・ゴール 企業の究極の目とは何か エリヤフ・M・ゴールドラット)
出版当初日本だけは刊行が許可されませんでした。理由は日本人がこれの理論を知ったら世界で日本が一人勝ちしてしまうから。